札幌市宮ヶ丘ユースホステル

このブログの表紙の写真にも使っているのが札幌宮ヶ丘ユースホステルです。
私が北海道で一番多く宿泊したユースホステルです。 一般でもスタッフとしても。

札幌市が建造したものですが、今はすでに建物そのものもありません。
でも宮ヶ丘ユースホステルが建っていた地区は、当時そのままに緑地として残りました。
札幌市円山公園内の「ユースの森」です。嬉しいですね。
そうは言っても現地に行ってもそれらしい痕跡は全く無いし、地元の人も何で「ユースの森」と言うのでしょう?という始末。 ちょっと残念。

 ** 宮ヶ丘ユースホステルのパンフレット **





完成年の航空写真を見てください、はっきりYHが見えます 
右は別の角度からの写真、建物の感じから閉館後の写真かもしれません、なんとなく寂しい

サイロ(展望台)の後ろの煙突は1Fにあった談話室のペチカのものと思われます。
開館当初このペチカに薪をくべると煙突の調子が悪く、毎日館内は煙っていたとか・・言う話もあったようです。

サイロ型の展望台は当初は使われていたようですが、周囲の樹木のせいで見通しが悪く開所後しばらくして使用を止めたとか。
(それでも見てみたいというホステラーには上がってもらっていましたが・・・)
夏の繁忙期、この展望台はヘルパーの寝室(雑魚寝部屋)として使われていました。
私もこの展望台に寝泊まりしていましたが、何せ北海道の朝は早い、4時前には日の出になります。
サイロの中は周りがガラス張りなので明るい上、日が差し込むと温室状態になって非常に熱くなる。 明るい・熱い⇒寝てられない、最悪でした。
パンフレットにある2Fの作業員室は、押し寄せるホステラーに開放することもありました・・・

中央にサイロを模した展望台を置き、札幌に来た旅行者に北海道らしさをイメージさせる「宮ヶ丘ユースホステル」の設計者は「田上義也」氏でした。
北海道以外ではあまり知られなかったようですが、かのフランク・ロイド・ライトに師事し北海道の気候風土に根ざした、特徴的な要素を持つ洋風建築を数多く残しています。
ユースホステル関係で言えば、私の知っている限りでは「支笏湖YH」「宮ヶ丘YH」「北湯沢YH」「富良野YH」「美幌YH」「北の峯YH」「「ニセコローヤルロッジ」「定山渓YH」「ライオンズ青年の家」「標津YH」「室蘭YH」「イクサンダー大沼YH」「摩周湖YH」「新・ルベシベYH」「新・北海道青年会館(新・札幌ハウス)」「サロマ湖畔YH」などの設計に携わっていらっしゃいました。
氏は芸術全般に造詣も深く北大の学生オーケストラから、札幌新交響楽団の創立者となり、初代指揮者も兼務したそうです。
後には「北海道ユースホステル協会」の会長も務められていたとか・・お会いしていたのかもしれませんが、記憶にありません。 残念。

宮ヶ丘ユースホステルの存在感として、地元民としては円山公園の中にあるだけでも充分評価は高いかな、北海道神宮や円山動物園もあるし。
八十八か所めぐりをしながら標高225mの円山に登れるし・・・一昔前までは札幌郊外といった趣でしたが今や都市部になってしまいました。
市街に近く利便性は最高でしたし、緑は円山原生林と呼ばれエゾリスやシマリスも良く姿を見ることがありました。
利便性:円山ハウス>宮ヶ丘YH 自然感:円山ハウス<宮ヶ丘YH 近代感:円山ハウス<宮ヶ丘YH


写真では分かりにくいですが、空気が澄んでいれば石狩平野、石狩湾そして暑寒別の山々まで見えるのです。

宮ヶ丘YHではお誕生日の人や、連泊者には円山公園の「カッコウ」を描いたシールを貼付していました。

  1961年(昭和36年)1月開所

ステイホームでちらちらとGoogleMapなど見ていましたところ、基礎の石垣が残っているのを発見!! 大興奮!(2021.3.25)

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