六花亭と北菓楼

六花亭と言えば今や押しも押されぬ北海道土産の定番のお店ですが、少し前までちょっと違った顔を持っていました。
札幌千秋庵からのれん分けし、帯広千秋庵と名乗っていたのです。(千秋庵の出自の元々は函館らしいですが)
その帯広千秋庵は1968年11月(昭和43年)ホワイトチョコレートを開発し、ホステラーたちの口コミから一気に北海度土産の定番となっていきます。
下の写真はおなじみのホワイトチョコレート(今はこのパッケージは販売されていません)右(下)は発売当初のものです。
当初のものには、キャッチとして「おびひろっ!といったら、ふきのとうの白いチョコ」 パッケージ横には「FUKINOTO CHOCOLATE」と「ホワイト ミルク」と書かれています。(さすがにふきのとうエキスは入っていなかったと思われますが・・・)
記憶が違っていなければホスバスに乗った皆さんが買ったのは、帯広千秋庵だった頃ですから「ホワイト ミルク」だったかも。
 

ところでホスバスの頃、千秋庵の名前(のれん)を使っているお店は道内にいくつかあり、帯広千秋庵がホワイトチョコレートを全道に展開するためには千秋庵ののれんを使っている以上、勝手に拡販は出来なかったと思われます。
そこで千秋庵ののれんを返上し六花亭とオリジナルの会社名で商売をする道を選んだとの事です。
(ホワイトチョコレートは、当初から帯広千秋庵のオリジナル商品だったと思います)
それでもホスバスの頃、ホワイトチョコレートの名前は「アンアン」や「ノンノ」で知られていました。
でも道内で売ってるところは少なく、帯広本店か札幌のデパートなどでしか手に入らない幻のチョコレートとも呼ばれていましたね。
今でもそうでしょうが、ピュアなチョコレートは携帯保存性が悪く(すぐとろける:当時のバスは冷房も無かったですし)、帯広駅でも買えましたがホスバスの中間地点でもあり、この地で入手してお土産用として持ち帰るにはほぼ無理でした。
六花亭の名前で札幌地区にも進出し、特に千歳空港の売店で販売できるようになったことから定番お土産になりました。

帯広千秋庵がのれん分けしてもらった札幌千秋庵は昔から札幌狸小路の入り口に店舗があり、良く叔母が買ってきてくれる生洋菓子が飛び上がるほど嬉しかったです。
でも札幌千秋庵の定番お土産と言えば「山親爺」というお菓子でした。 
今でも入手できます、薄焼きの洋風せんべいと呼べばいいのかな?表現力が無くてすみません。
札幌の老舗菓子店ですが、その後はコレと言ったヒット商品がなく、お菓子の宝庫と言われる北海道でも存在感が薄れているのは残念です。

帯広千秋庵⇒現「六花亭」は上に書いたように札幌市内でも複数のお店を出し、さらにはデパートなどでもお店を展開しています。
ちなみに六花亭の「六花」とは古くから「雪の結晶」の事を表しています。
【私が尊敬してやまない、世界で初めて人工的に雪の結晶を作った中谷宇吉郎先生の「雪」と言う本を見てください】
そうそう、六花亭とは店名を東大寺管長に相談し「北海道を代表する菓子屋になるように」との事で名づけられたと聞きます。
東大寺管長様が六花をご存じであったとは・・博識ですね。 って、私が上から目線で言うのは失礼です。

当初「六花」を音読みで「りっか」と呼んでいたそうです。
それが「りっかてい」では呼びにくかったからか「ろっかてい」になったんだとか・・・
へぇ~ですね。

話は変わりますが、このホワイトチョコのパッケージを含め六花亭の包装紙はご存知ですよね。
坂本直行氏の描かれた包装紙 ⇒ 
スズランやハマナスなど北海道を代表する花々が上品かつ可愛らしく書かれています。
この画は十勝在住の「坂本直行」さんが描いたものです。
その坂本さんですが、かの坂本龍馬の甥の孫に当たるそうです。
この坂本直行さんは兄弟姉妹が10人いたそうで、実はその中の直行さんの姉様と私の母親が札幌大通小学校で同級だったとか。
意外な繋がりに私も驚いてしまいました。
札幌の坂本さんのお宅の長持には刀とか昔の武士の品物がいっぱい残っていたそうです。(戦前の話のようでしたが)
姉様は今は他界されたと姉様のお子様からお聞きしております(四国在住)。 私の母は百ですが元気にしております。
私の母方の祖先は奈良県十津川村宇宮原(うぐはら)にいて1889年(明治22年)8月に起きた大水害により、北海道空知支庁樺戸にあるトック原野(徳富川流域)に移住(入植)してきたとのことです。
今でいう北海道樺戸郡新十津川町ですね。 その後祖父母が新十津川から独立して札幌に住むようになったと聞いております。

話は変わって
「開拓おかき」で有名になった「北菓楼」も「ろっかてい」の促音(っ)のイメージが強すぎるのか「ほっかろうと」呼ばれることも多いですね。
正しくは「きたかろう」なんですが。 

ひと昔、いやふた昔ぐらい前、JALの飛行機に乗ると「夕張メロンゼリー」が出て来ました。(コロナ禍の今、お茶くらいは出るんでしょうか?)
えらいうまいもんがあるんだなぁと思ったものです。
この「夕張メロンゼリー」を作った会社が「北菓楼」も経営しています。 (株式会社ホリ)

でも・でも、私は本当は北菓楼のシュークリームが好きなの・・・(もじもじ)
大人の男の掌ほどの大きさ、ずっしりと重い。 くどいほどの乳脂肪分、たまらんのよ。

ところで、千歳空港などで長い行列を作っていた「花畑牧場」の生キャラメル・・一時のあの騒ぎは何だったんでしょう。
私なんかキャラメルの生の意味がいまだに良く分かりません?
googleでは生クリームの量が多いとか表現されています? どれぐらいの割合なんでしょ・と突っ込みたくなります。

私の住む街で「たい焼き」を売っていて、「生・たい焼き」と看板にうたっている。
たい焼きで、生? なんじゃそれ?? 小麦粉が生? どろどろの皮?? え・え・え・どう考えてもわからない?
怖いので買わずにお店の人に聞いてみた・・・
一つずつ(一匹ずつ)焼くたい焼きが「生」なんですって。
まとめて焼くのは生で無いそうな? ますますわからん??

まぁとにかく六花亭は飛ぶ鳥を落とす勢いというか・・・
いつの間にか北海道神宮の中にお店を作っていました。(ずいぶん前からですが)
さすがにその時は札幌千秋庵を乗り越えてか!と、ただただ驚いてしまいましたね
ところが、新興の洋菓子店「きのとや」も北海道神宮の中にお店を開きました。
洋菓子を主流とする両店が、和の頂点にある神社の中にお店を開く事にはちょっと驚きです。

写真の左が「六花亭北海道神宮茶屋」右がきのとやが運営メインの「神宮茶屋」です。 さすがに純和風で、思わずへぇ~と声が出ます。
どちらのお店も客が多くあずましい感じは全くありません。 ゆっくりするなら六花亭の円山店がいいかも。
写真は「札幌の神社と御朱印巡り~札朱(サッシュ)」様からお借りしました。

何となく懐かしい歌(1972年5月発表:ホスバスとどんぴしゃ:みんなにとって恋の街札幌になりましたか?)

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