阿児町国府(あごちょう こう)

⇒すみません、この回を見る前に「安乗岬燈台と安乗文楽」をご覧ください。

三重県志摩地方には阿児町があります。
少し前までは志摩郡阿児町でしたが今は志摩市阿児町と呼ばれます。
阿児町にある安乗地区の事は、「安乗岬燈台と安乗文楽」の項に書きました。

阿児町国府地区は阿児町の中でも割と大きな面積を有しています。
安乗文楽が安乗神社で行われると書きましたが、この安乗神社には変わったお守りが最近出来たのです。
安乗神社のお守りは「全にる」をかけて、昔から交通安全や航行安全のためのお守りがありました。

さて国府には国府白浜と呼ばれる遠浅で緩やかなカーブを描く海岸があり、広々として砂浜が続き、浜の南部には松原が広がります。
サーフィンができる海岸として有名で、年間を通じ多くのサーファーが訪れます。
私が良く近くを通っていた1970年代でもかなり多くのサーファーがやって来ていました。
台風の時の荒波をものともせず波を蹴立てている姿は、ちょっと驚きでした。
それでも海外の命知らずのサーファー映画を見ると、国府の浜は初心者向きなのかと思っていました。
ところが国府の浜は全国大会も行われるスポットだそうです、知りませんでした。


話は戻りまして、このサーファーが安全に波に乗れますようにと安乗神社が作ったお守りが「波乗守」との事

いかがでしょう?
さぁ、あなたの評価はいかが?

さてさて、
この国府の町に入ると家々が背の高い槇垣(生け垣)に囲まれています。
車で町の中に入ると左右立派な槇垣に囲まれ、アレ?人んちに入って来ちゃったかなと思うほどです。
伊勢志摩YHの前ペアレント、慶三お父ちゃんは、ミーティングの時ホステラーにこの槇垣は自然災害や火災などから自宅や町を守る先人の知恵だからと言って、ぜひ見るようにと進めていました。
国府の槙垣は、安土桃山時代に源慶寺を建立した道念和尚が行った村づくりのひとつで自然災害に備えたもの、と言われています。
点在した民家を一所に集め、条里制を敷いた際に防風・防砂・防火のため、住居の周囲に作られたそうです。

なかなかきれいな街並みでした・・・

で、終わってはいけなかった
平成27年2月に国土交通省都市局から発行された【平成26 年度 歴史的風致維持向上推進等調査「自然災害等を想定した歴史的町並みの維持保全が果たす防災機能についての検討(国府地区まちづくり協議会)」】
という報告書に、この国府の町並みが持つ防災力が評価されています。
報告書を見てくださいね、報告書はこちらから
うん、慶三お父ちゃんが言っていた事がちゃんと国の報告書として評価されている。
町を作った道念和尚もすごいが、きちんと評価していた慶三お父ちゃんもすごい。

しかしこの報告書を見ると、津波は外海に面して直接受ける浜より、少々離れていても湾形の内海の方が高くなっていることがわかります。
東日本大地震の時のように水面が10m以上も高くなってやってきた時の事は・・・正常性バイアス的に、もうないだろうと思って考えないようにしましょう。

昔にはやっていた歌

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